わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

ずく ぼんじょ ずく ぼんじょ ずっきん かぶって でてこらさい



四角の綿布をひろげます。布の真ん中をつまみ、うたにあわせて上下します。
「でてこらさい」で布をそっと置き、三角塔(ずくぼんじょ)を作ってあそびます。

きろく

佐賀のわらべうたです。

春になるとあちこちの野原にずくぼんじょ(つくし)が芽吹き始めます。
昨今は、野原につくしが消えてしまいましたが長崎では
まだまだ探せば見られます。

つくし自体は地味な土黄色ですが、あそびではカラフルな綿布で
ずくぼんじょ畑を作っては遠目にながめます。
次は、かごを持ってずくぼんじょ摘みをしてあそびます。
(参考資料: 佐賀のわらべうた 音楽の友社)


うた

ケン パ   ケン パ  ケンケン パ



外あそびです。

子どもの足が入る程度のまるい輪を1つ作り、縦上に2つ
次に1つ、2つ、1つ、1つ、2つと作っていきます。

輪を縦長に並べ、ことばの順々どうりにケンは片足とび
パは両足で輪の中を跳んであそびます。
次に、並んだ輪の中の1つに石を入れると、そこはとばして
跳んでいきます。


きろく

昔、私がよくあそんだ外あそびです。

道路にチョークなどで輪を書き、跳んであそんでいました。
近ごろは、道路が車で危険な場所になりました。
本来は、屋外であそぶ時のわらべうたですが、広ければ体育館や
講堂などの屋内でもおもしろいと思います。

石のなげた場所によっては、ケンケンが続き、片足とびが
連続するとかなりの運動力がいります。
年長ぐらいからあそべますが、3、4歳は ケン パ だけの
短いうたにしたら良いと思います。



うた

もぐらうちゃ  こんやまで  もぐらうちゃ  こんやまで ・・・(しばらくしてから)

こんくらいうっも てぶらにかえすは  おんごもて  じゃごもて

Untitled

あそびかた

「もぐら打ち」の行事をまねるしぐさあそびです。
二枚の布を結んだ物や、新聞紙を丸めて藁のバットに見立てて 地面をたたきながらうたいます。

きろく

南高来郡の有明町に伝わるわらべうたのご紹介です。
同町にお住まいの松本信子さんに「もぐら打ち」の行事についてお聞きしました。

ここでは、一月十四日の日に、子どもたちが集まり町内の家々を回るそうです。農作物に害を与えるモグラを追い払い、豊作や無病息災などを願います。

訪れる家は、新婚のお嫁さんが初めてお正月を迎えた家。その家の軒下の地面をバット状にした藁(わら)を振りかざして打っていくそうです。

藁といっても一メートルくらいの竹を藁でまいて縄できびったものです。 たたいて回ると、その家主から子どもたちにお菓子が振る舞われます。

もしも、お菓子など何も振る舞ってもらえなかったときは、うたの最後に憎まれことばを言うそうです。「おんごもて」とは鬼の子をもて、「じゃごもて」とは蛇の子をもて、とも言われ何とも強烈な物言いです。

また、松浦市星鹿地区では、今年も一月六日に正月行事「もぐら打ち」が行われたそうです。

ここでは「祝いましょ 祝い餅(もち)くれたなら 末も繁盛 世も繁盛」「どーんとどっさり福の神」などという歌詞で、青竹を藁でくるんだ棒で玄関先の地面をたたいたそうです。

わらべうたのことばには、このような福を呼ぶものや、ドキッとするようなことばを大っぴらにうたうあそびが他にもたくさんあります。

いずれにせよ、子どもたちにとってみんなで大声を出して元気にうたうことはストレスがなくなり、その上お菓子までもらえる面白い行事なのです。

こういう行事は残し伝えたいものです。
(長崎新聞 掲載)(2005年1月10日 東向保育園にて取材)