わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

しろきやの おこまさんを てぶねにのせて ゆりがながるる このはがしずむ
ごんち ごんちょ ごんちょな



あかちゃんなどに、布、人形 などをゆっくりふりながら歌って聴かせる。

きろく

この歌は、あかちゃんや1、2歳の子どもの手をとってゆすりながら、ゆったりとうたってあげましょう。
私は、チャイムなどの優しい音を聴かせながら歌っています。
「手舟に」とか、「ごんち、ごんちょ、ごんちょな」の言葉からしても
ゆられる子守歌のような感じがします。
「白木屋の、、」とは、背景に文楽の『恋娘昔八丈』の影響を受けた歌かもしれません。


うた

おじいさん おばあさん なにくって かがんだ えびくって かがんだ



2歳位から、杖(つえ)をつきながら親子でいっしょにうたい歩き始めます。
2、3回うたったら後続の親子に杖を渡し、しっぽにつきます。

4、5歳になったら、杖をつくおじいさんの役を一人決め、
数人の子が外輪になり杖がくるのをうたいながら待ちます。
つえは好きな子に杖を渡していきます。
役交代と場所とりのルールのあるあそびです。

きろく

このあそびは、杖をつくしぐさを交代してリレーする面白さがあります。
うたが途切れないように、すばやく杖を渡せるようになること。
渡し終えたら、その場所にいて次の杖が来るまで待つこと。

次に ことばをかえて「えび」を「きゅうり」「なずび」「バナナ」などに
替えうたしていきましょう。

ことばや杖が、変わっていきながらでも あそびとうたとが途切れないで
流れていくようになると楽しくなります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

らかんさんが そろたら そろそろ まわそじゃ ないかいな
ヨイヤサノ ヨイヤサ ヨイヤサノ ヨイヤサ …



数人で丸くなって座る。おのおの自分のしぐさを決め「ヨイヤサ」の掛け声に合わせて まず自分のしぐさをして、次に右隣の人がするしぐさをまね、次々と回していきます。
そうやってしぐさリレーを何回まわすか競う。

きろく

五島のわらべうたのご紹介です。

「らかん」とは阿羅漢、仏教で最高の修行者のこと。
佐々町立図書館の末永嘉代子館長に教えてもらった「しぐさ回し」あそびは 地域の集まりの時などにあそんでいたそうです。

館長は、高校生の遠足のときに、クラスのみんなと五社神社でワイワイ笑いなが あそんだ楽しい光景が思い出されると言われました。

このあそびは、子どもから大人まで楽しめ、人数が多いほど難しくなりますが リズミカルになり面白くなっていきます。
しかし、最初コツが分からないうちはしぐさが途切れて、一回も回すことが できないでしょう。

人は最初におのおののしぐさを頭で覚えてしまおうとしがちです。
これが失敗のもと。
しぐさを覚えるのではなく、ただ隣の子のしぐさを流していけば スムーズに回りだします。
そうなるとスピードも速くなり、全員が「ヨイヤサ」の掛け声で一体となります。
まさに、神輿(みこし)を担ぐような感じです。

わらべうたは、あかちゃんへの語りかけうたや顔あそびに始まります。

一人あそびから段々にあそび仲間が増え、手をつなぎ、声を合わせ歩いたり 追いかけっこしたりなど、人と人の触れ合いであそびが広がっていくのです。

子どもがコミュニケーションをはぐくむのに欠かせないあそびだと思います。
(長崎新聞 掲載)(2004年4月5日 佐々町立図書館にて取材)