わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

こいの たきのぼり こいの たきのぼり・・・・



色とりどりの洗濯バサミを鯉に見立てて、ひもにはさみ 鯉が泳いでいるようにふる。

きろく

春になると、長崎のあちこちの川の上に鯉のぼりの吹き流しが一列に
下げられます。
風をうけて川の上を鯉のぼりが泳いでいる様は、気持ちのよいものです。
”あっかとばい”では洗濯バサミをつかって遊んでいます。

他に、数人の大人が二人ずつ両手をのばして手をつなぎ川の列をつくります。
子どもは、両手を上げて体をしゃんとさせてその川に腹ばいになります。
大人は子どもを鯉の滝登りするように川の列に順送りしてあげます。
体が大きい子や、両手を上げてしゃんと腹ばいができない子はむずかしい
かもしれません。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

たけんこが はえた たけんこが はえた ぶらんこ ぶらんこ さるがえり



子どもが木の棒をしゃがんだままで両手でつかみます。
大人がその棒の両端を持ち、子どもが立ち上がり宙ぶらさがりができる
まで上げて、最後にブランコをさせます。

きろく

”あっかとばい”では、このわらべうたは春のブランコあそびにしています。

子どもが鉄棒であそべるのは、4、5歳からですがこのうたですと
2歳ぐらいからあそべます。
つかむ力がまだ足りない時は、その子の身長、握力にあわせて親が
手を添えかげんしてあげましょう。

幼い時期からこの宙ぶらさがりであそぶと、ブランコを嫌がらないで
公園にある鉄棒などに自然とぶらさがったりできるのではないでしょうか。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

いなさんやまから  かぜもらおう
いなさんやまから  かぜもらおう
いーんま かーぜ もどー そー



たこ(ハタ)あげのうたです。 布を風に見立ててふり、もどそーで布を放ちます。

他に大布を数人で持ち、うたに合わせて上下させてその大布の 風の中をくぐりぬけてあそびます。 最後に布を放ちます。

きろく

ハタ揚げに欠かせない風を呼ぶわらべうたのご紹介です。 長崎では凧(たこ)のことを「ハタ」といいます。

今年も三日に長崎市の唐八景公園で長崎ハタ揚げ大会がありました。 強風が吹き、参加した家族連れの人たちはそれぞれのハタを揚げて競いました。

うたにあるように、稲佐山からの春風が吹き込んでハタはあっという間に 空高く揚がりまるで空中に泳ぐ魚のエイのようでした。

それをたぐって右や左にスーイスイ、まるで生き物のように縦横無尽に動かします。 そして相手のハタをビードロヨマ(ガラス粉をつけた揚げ糸)で合戦させて 切って落としていくのです。

負けたハタはふらりふらりと空中に落ち、「ヨイヤー」という掛け声が 掛けられます。

港から吹き上げる稲佐山からの風は、絶品ならぬ「絶風」。 また、近くの「愛宕ん山から風もらおう」ともうたわれていたそうで 切に風を呼びたい気持ちの表れたうたでしょう。

そもそも、この祭りは長崎三大行事(長崎くんち、精霊流し)の一つで 江戸時代から伝わるものです。

昔は春の季節のお金持ちの道楽で、ハタ揚げを見物しながら芸者衆を呼び 酒宴を開く大人のあそびだったようです。

今ではブラスバンドの演奏や長崎検番の舞などがあり、家族連れで楽しめます。 サークル”あっかとばい”では、大きな布を風に見立ててうたってあそんでいます。

(長崎新聞 掲載)