わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

しょうがっつあんの  こらすときあ なんもって こらす?
ゆみと はごいたと こしにさして こらす
なくもんな かんぶくろに へへこんで こらす
なかんもんは ぶっちば たもとにいれて
くいくいくいくい こらす



しぐさあそびです。
せっせっせのように手合わせをしながらうたいます。

きろく

お正月のわらべうたはたくさんあります。
このうたの「くいくい・・」とは”栗の橋を渡ってが縮まったたものだそうです。

お正月は 、大人も子どもも新たな年明けに福が来ます様にと待ち望みます。
昔、お正月にはみかん汁で半紙に文字や絵を描いて火鉢であぶりだしをして
あそんだり、あんこもちを焼いて食べていたころを思い出します。

長崎のお正月うたは「あっかとばい」No.1No.31 がそうですし
佐賀では「正月さん、正月さん」No.143 があります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

つ、る、は、まるまる、む、し



絵かきうたです。

つは、頭 るは、耳 はは、眉 まるまるは、目
むは、鼻 しは、あごを描きます。

きろく

波佐見町の今里妙子さんに伝承していただきました。

今里さんは、お孫さんに描いてあげると喜ばれるそうで
魔法みたいな絵かきうたが大好きとせがまれては
沢山書くそうです。

眉や目の位置とか、あごを長くするとかで子どもの顔になったり
おじいさんになったりと面白く顔ができあがります。

ことばと書くリズムをあわせて楽しんでみてください。
(長崎県東彼杵郡波佐見町にて 2007年2月9日取材)


うた

あっちはてっち こっちはてらんにゃ てんじんさま きらわっそう
てんにもちこい うちやぶれ



あそびかた

しぐさあそびです。

おてんとさん(太陽)を指差すまねをしながらうたい、
太鼓を鳴らしながら走りまわる。

きろく

この歌は、島原市有明町の松本信子さん伝承していただいたわらべうたです。

冬の寒い時期におてんとさんが恋しくて日向ぼっこをしながら
たくさん陽がほしいと歌っていたそうです。

”あっかとばい”では、冬の寒さや、内気になる気分を吹っ飛ばすように
気合いを入れてあそびます。
陽を呼び込みたい!と元気に天に向かって指差し、足踏みをし
そのあと、太鼓を鳴らして、雲を打ち破るように走り回ります。

他に、冬のわらべうたとして同類の「おしくらまんじゅう」のように
あそんでも面白いと思います。
(島原市有明町東向保育園にて 2005年1月10日取材)



うた

どんぶかっか すっかか あったまって あがれ かわらの どじょうが こがいを うんで あずきか まめか つずらのこ つずらのこ



あそびかた

しぐさあそびです。 子どもをひざに乗せ、ゆっくり揺らしながらうたう。 又は、人形などでお風呂ごっこにする。

きろく

このうたは、お風呂でうたうとおもしろいです。
お風呂は子どもにとって体に直に関わる大切な生活そのものです。
親子で、一日の出来事をゆったりと話し、ついついうたがでてくるような 時をつくるのは、なにげない生活の基本で大切なことと思います。

お風呂でうたがあれば、その時間は親との楽しい場となります。 温まる時にゆったりとうたってみましょう。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

うらの てんじんさまから おもての おいなりさまから
おひとが じゅうにん おうまが さんびき いちゃ
ほーらい こんこん だれでも おつきなさい



しぐさあそびです。

数人で前の子の肩に手を当てて、一列で行進する。
「おひとが〜」から列の最初の子は、後ろ歩きで列のしっぽに付いて行く。

きろく

2歳位になると”あっかとばい”では、馬の人形を持ちながらゆっくり行進します。
お母さんに手をつないでもらって一緒に歩けるから、人形を一人で持って
歩けるようになるまで個人差がありますが気長にうたって歩きます。

他に、竹馬をしながらうたっています。
竹馬は、2007年の今春から始めて10月まで半年遊びました。

T君は、このうた(一回で31歩)を連続44回、1364歩がんばりました。
毎週、海のすぐそばの公園で竹馬をしたことは楽しい思いでに
なったことと思います。
(参考資料: まめっちょ1 全音楽譜出版社)


うた

いちばちとまった にばちとまった さんばちとまった
しばちとまった ごばちとまった ろくばちとまった
ひちばちとまった はちがきて くまんばちがさして
ぶーん ぶーん ぶーん



追いかけっこあそびです。

一蜂から順に手の甲をつまんで七蜂まで手を塔の様に重ねていきます。
最後に、八蜂で鬼役は「蜂(八)が来て〜」で、ふしもリズムもなく唱え
「ぶーん」でいっせいに逃げる子をつかまえます。

きろく

スリルのあるわらべうたです。

小学生は機敏に逃げまわり面白いのですが、幼い子は八蜂「ぶーん」で
おっかなくなって、追いかけられると固まってしまう子もいます。

今春、長崎でも温暖化したせいか蜂が多く、クマンバチにさされてショック死
された方がでました。
このようなわらべうたの時は、そんな話もしながら自然や環境
それに蜂を防ぐ昔の人の知恵などの話もします。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

ピーチクチャー ピーチクチャー チーチャーホーチャー ビンズルヨウニ ツーテンカラ ナーニヲモッテ オモシロイ ヤレコノ ズンズルベッコ サンノケッケ トイマンシュルベ シュクシュクションベン パーイロパーイロ ジンタン ノ!



あそびかた

ことばあそびです
早口で一息で言える様にリズムにのって唱える

きろく

長崎の島原市の有明町の松本信子さんに教えてもらったことばあそびです。

松本さんは幼い時に、覚えていっきに言わなければいけないとお父さんから言われ、 ことばを書いた紙をトイレに持って行って覚えたそうです。

ことばは、雲雀(ヒバリ)の代弁だそうで、『巣にいる子どもに近づくな!』 という意味だそうです。

大人は、ことばの謂われはわかっても、なかなか意味が通じないと 覚えにくいのですが子どもは丸ごと覚えることができます。

小さい時に面白いことばに出会うのは、宝物を拾ったようなワクワク感があります。

子どもが育ち、学ぶのにこのワクワク感こそが一番大切と思います。

(島原市有明町東向保育園にて 2005.1.10取材)


うた

ぼうさん ぼうさん どこいくの わたしは たんぼに いねかりに
それなら わたしも つれしゃんせ おまえがくると じゃまになる
このかんかんぼうず くそぼうず うしろのしょうめん だーあれ



鬼あてあそびです。

数名で手をつなぎ輪を作つくります。鬼決めで一人坊さん役(坊)を決めます。
残った子どもは、悪ガキ(悪)役で手をつなぎ歩きながら外輪になってうたいます。
これからは、坊さんと悪ガキの問答うたが始まります。

輪歩きしながら中央の(坊)に問いかけます。
「ぼうさん〜」とうたいかけ、「どこいくの」で止まります。
(坊)は「わたしは〜いねかり」と応えます。(悪)「それなら〜つれしゃんせ」

(坊)「お前が〜じゃまになる」。(悪)「このかんかん〜」から
(坊)はしゃがみ、目をつぶり、(悪)は(坊)ぶちます。
「だーれ」で(悪)もしゃがみ(坊)がま後ろの人を手探りで人当てします。
当てられたら役交代ですが、まちがったらもう一度鬼をします。

きろく

「かごめ かごめ」と同じで他にも「ひとまね こまね」No.96があります。

日頃、人をたたいてはいけない事だと判っていてもあそびの中では
遠慮はいりません。
この悪口、人当てあそびは、おおぴらに人をぶって虐め、貶しことばも
あって楽しいらしく”あっかとばい”の子ども達は好きです。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

タマゲタ コマゲタ ヒヨリゲタ 



しぐさあそびです。

布やチュウリングを上下に動かしながらうたう。
ボタンを下駄に見立てて指にはめ、指歩きしてあそぶ。

きろく

このうたは、リズムもシンプルならことばも短く覚えやすい唱えです。

三つのことばを延々唱えるのに、いろんな表情を出せます。
ある時はひょうきんに、ある時は怒った様に、急いでとかゆっくりとか
男の人の声でとか、バリエーションを変えてたくさん遊べる面白い歌です。

”あっかとばい”では、大きめのボタンを下駄に見立てて指に履かせ
床に響くボタン下駄の音を楽しんでします。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

ひやふうやの やまみちを とうってあるくは はなこさん
やまのどては くずれた あかおにさんびき にげだした
はやくにげろや はなこさん



あそびかた
門くぐりあそびです。

Aのあそび:鬼決めで門役二人を決めます。
門役は、内緒で二つのなぞことば(バナナとリンゴなど)を決めておきます。

他は全員、二人組になり門を通ります。最後の「はなこさん!」で閉まった門に
つかまった二人組は、離れた場所でべつべつに分けられて、門役からなぞことばの
どちらが好きか聞かれます。
二人は選んだことばの門役の肩に振り分けられつながっていきます。

最後に残った二人組には、みんながどちらか好きかを聞きます。
その後、門役は急いでふりわけた自分の列を数え多かった方が勝ちです。

きろく
”あっかとばい”では、A のあそびを少しちがえてBであそんでいます。

Bのあそび:門くぐりをして行き、捕まった二人組が門を増やして行く遊びです。
門が長くトンネル状になるので、すり抜けるスピード感が増して行き
そこが面白いと思います。
それに、時間が限られている場合とか、いろんな年齢で遊ぶ時はBにします。

一方、Aのあそびは門につかまるまでの間、なぞことばは何かな?と
あれこれ考えます。
なぞことばを想像し、選び振り分けられる面白さがこちらにはあります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

コト コト ケンカシテ クスリヤサンガ トメタ
ナカ ナカ トマラン ヒトタチャ ワラウ
オヤ タチャ シンパイ シンパイ



指あそびです。

両手を抱き合わせにする。「コト〜ケンカシテ」で小指を4回合わせる。
順次「クスリヤ〜トメタ」で薬指、「ナカ〜 トマラン」で中指
「ヒト〜 ワラウ」で人差し指、「オヤ〜 シンパイ シンパイ」で
親指を各4回づつ合わせる。

きろく

長崎の波佐見町の太田ヱツ子さんから伝承していただいたうたです。

他に類歌で最後のことばが「しんぱい」でなく、「おこった」といって
角を出すしぐさのもあるようです。

私は「しんぱい、しんぱい」で最後に親指をぐるぐる回すしぐさが
ほほえましい家族のようで好きです。

まだ両手を抱き合わせたりできない、1、2歳の子にはお母さんが
手あそびにしてあげましょう。
(長崎県東彼杵郡波佐見町にて 2007.2.9取材)


うた

さるの こしかけ めたかけろ めたかけろ
さるの こしかけ めたかけろ めたかけろ・・・・



しぐさあそびです。
腰掛けるしぐさをしながら連なり歩きます。

きろく

このあそびは、延々に腰をおろしては先進を続けます。

スクワットみたいでかなりきつきなりますが、、、、
”あっかとばい”では軽妙な猿になったつもりで競争しながら
うたいあそびます。

最近は、さるのこしかけを見かけることが少なくなりましたが
まだ長崎では、雑木林に入ると樹に大小の腰掛けが階段のように
連なっているのを見ることがあります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

えんやら もものき ももがなったら だれにやろ
おっかさんに あげよか? おきくさんに あげよか?
だーれに あげよか?



しぐさあそびです。

背中に子どもを横にして背負い揺すりながら歌ったり、向かい合った二人が
手をつなぎその上に子どもを乗せてうたう。

きろく

もと関東一帯のわらべうたのようです。

桃が生ったら「食うぞ」(宮城)とか「じいとばんばに食(か)せる」(山形)
「太郎と次郎と半分こ」(栃木)などあるそうです。
桃の季節にたわわに実る木を喜ぶうたでしょう。

”あっかとばい”では1歳から子どもをだっこして又は、横にして腰をふりながら
あそびます。
子どもも4歳ぐらいになると重くなるので、この横ふり遊びは
母親に負担にならないでしょう。

子どもはゆすられると、楽しくて大はしゃぎです。
(参考資料:わらべうた 岩波書店)


うた

ささに たんざく たなばた まつり おてらじゃ こどもの こまだすき
まちじゃ おどりさ おんどとろ ささえ ささえ



あそびかた

しぐさあそびです。 うねり歩きをしながらうたう。

きろく

七夕の季節になりました。

”あっかとばい”では、2、3、4歳位の子どもは、先頭が笹をもって みんなでうねり歩きをします。

5歳になると、うちわを持ちたすきがけをして盆踊りのように 踊りながらあそんでいます。

現在の太陽歴(明治6年に改暦)では、七夕の7月7日は日本中が 梅雨時期にあたります。
この頃は、毎年天気が悪くて星を見ることが難しいのです。

今年2007年は、伝統的な七夕にあたる日は8月19日だそうです。

笹飾りや短冊に願い事を書いて楽しみましょう。

(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)




うた

ほたる たるたる たんぐるまの みずは
のめば さんがれ さんがれのまねば あがれ ほたるこい ほたるこい
あっちの みずはにがいぞ にがいぞ
こっちの みずは あまいぞ あまいぞ
ひしゃく もってこい くんでのましゅ くんでのましゅ



あそびかた

自然をうたったしぐさあそびです。
柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み飲むしぐさをします。

きろく

蛍のうたは各地にありますがこれは、長崎の多良見町のうたです。

今でも多良見町にはたくさんの蛍が飛んでいます。 ”あっかとばい”の子どもは、うたい終えたら柄杓で水を汲んだまねをして みんなに飲ませて上げます。

こどもは、柄杓の水をこぼさぬように気をつけて飲ませるのが好きです。

(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


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