昭和30年1月に祖母と父が並んで写っているの写真です。
出島オランダ商館跡復元工事の監督をしていたその現場です。
たぶん、お正月ではないでしょうか。
その頃、私は3歳10ヶ月、母とよく出島の復元工事現場に行っていたようです。
その出島に近い湊公園の裏に「新世界」という映画館がありました。
両親は映画が大変好きだったので私を連れてよく行っていました。
昭和30年代に長崎市内にはたくさんの映画館があったのですが、「新世界」は
特別に大きかったと思います。
映画のストーリはわからなくても心に残るシーンは今でも覚えています。
イタリア映画のヴィットリオ・デ・シーカ監督の「自転車泥棒」のうら悲しい感じ。
昭和32年に日本で上映されたフェデリコ・フェリーニの「道」も観ました。
ジェルソミーナの表情、海のぎらぎら光るシーン、きれいなメロディーなど。
父たちは新世界で観終わった映画話に花が咲き、湊公園から銭座町まで自転車を
ひいてトボトボと歩いて帰っていたそうです。
その自転車の荷台に乗っていた私はよく落っこちたらしく昭和30年ごろの
ほのぼのとした笑い話です。