東京都写真美術館で2つの展覧会を見てきました。
一つ目は国際的な写真家杉本博司氏。人類と文明の終焉という壮大なテーマ展でした。
33のインスタレーションを掲げた中の3番目、養蜂家です。
養蜂家
今日、世界は死んだ。もしかすると昨日かもしれない。私の飼育している蜂達の異変に気付いたのは10年程前だった。巣に帰って来ない蜜蜂が増えてきたのだ。蜂が帰巣本能を喪失したとされた。蜂はせっせと甘い蜜を運んでも、人間に搾取されてしまうということを何万世代もかけて体で学んでしまったのだ。世界中の蜂にこの情報は共有されて、蜂は死に絶えてしまった。種の自殺だ。すると世界中の植物に異変が起こった。多くの種子植物は受粉できなくなり、その数は激減していった。ほとんど砂漠化した地表の景色も悪くはない。 辞世句が一句浮かんだ。
花は咲けども実はならず、自業自得の末世かな
次の世が来ても、人間がいる限り蜂は帰ってこないだろう。
他に、平安末期、末法に建立された三十三間堂の千手観音、「仏の海」の写真群。アメリカ各地の「廃墟劇場」が展示され、末世の感がわ〜っと漂っていました。
二つ目は、世界報道写真展2016。ボート・ピープル、アメリカ軍内のレイプの写真にカウンターパンチを喰らう。
この現実に遭遇している人もいると思うと、あ〜ぁ〜肩にドシンと重しをのせられたようでした。
明日は我が身かも。