わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

にわとり いちわが  いちもんめ
コッケ一  コッケ二  コッケ三  コッケ四・・・



あそびかた

うたのなかの、コッケ一から紙風船をついて落とさないように長く続ける。

きろく

このうたは、数少ない揚げまりうたで風船をつくようにまりを つき上につき揚げ、どれだけつけるか数を競うそうです。

“あっかとばい”では大きな紙風船であそびます。
つきあげて落ちるまでの間もゆっくりなのでお母さんと一緒だと 2歳位からあそべます。

大きい紙風船だとつく時に、ばあ〜んと豪快な音がしますし はねかたがゴムとちがって楽しいです。

(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)




うた

じゅうがつよー じゅう がつよ  じゅうがつ  いのひにゃ  もちをつ く
「アー エンヤラ ヤッサ」
もちを ついても きゃくがな い 「アー エンヤラ ヤッサ」
えびすさんと だこくさんを きゃくにし て 「アー エンヤラ ヤッサ」
わたしも しょうばん いたしましょ 「アー エンヤラ ヤッサ」



あそびかた

丸太や、石、杵、わらなどに縄を巻きそれに綱を付けて 数人の子どもたちで引き、落としうたう。

きろく

このうたは、長崎の口之津のうたです。
旧暦の十月初めの「亥(い)の日」に行われる収穫祭でうたわれていました。

子どもたちはザルを持ち、各家の前で石や杵(きね)、わらなどをついて回り お餅やお菓子、お金をもらっていました。

『長崎のわらべ歌』を採譜された黒島宏泰先生のお話によると 子どもが杵を一人で引くには重過ぎるので、杵に綱を付けて両端から 数人がかりで引いて回ったそうです。

”あっかとばい”のみんなで力を出し合い引く綱は、かなりの重さの 石や丸太でも背丈ほど上げることができます。

運動場など広い広場でつくと、「とーん、とーん」と土音が響き まるで花火の音の反響のようで趣があります。

平安時代ごろ、中国から日本に伝わった祭りらしく、西日本で 行われていましたが、時代と共に風習も変わり今では あまり見られなくなりました。

(長崎新聞 掲載:参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


うた

コマンカ コマンカ コマンカ ナミ マチット フト ナアレ 



四人が、波にみたてた大布を地面に広げ、四すみをしっかり持ちます。
子供たちは、静かな波布に呪文をとなえます。

大きな声で呪文がとなえられると、波はだんだん大波になっていき
その大波の下を子どもたちは魚になってくぐりあそびます。

きろく

このあそびは、波が段々大きくなるのを待って海の中をくぐりぬける
スリルがたまりません。
しかし、くぐりぬける時ぶつかるので、あそびの前にくぐる時のルール
(右回り)をしっかり教えなければ危ないと思います。

私は、右回り=時計回りということを2歳ぐらいから教えます。
長崎は海に近い所ですが、最近は夏でもプールには行っても海には
なかなか出かけません。

”あっかとばい”では、夏 に”磯あそび”をします。
磯でみなをとり、波をかぶり海水おにぎりや海水雑炊をつくり
海を楽しむ一日でした。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

おちょうず  おちょず  ねんねつぼ  ねんねつぼ
かいぐりかいぐり  かいぐりこ おつーむ てんてん
アワワワワアー



あそびかた

あかちゃんにしてあげるしぐさあそびです。

おちょず =4回、両手を合わせる。
ねんねつぼ=4回、片手のひら人差し指でつく。
かいぐり=両腕を糸巻きの様にまわす。
おつむてんてん=4回、両手で頭をさわる。
アワワワワアー=数回手のひらを口びるにあてる。

きろく

まず、お母さんがあかちゃんにして見せましょう。

首がすわったら、あかちゃんをひざにのせ、手をとり一緒に
しぐさをあそんで下さい。
そうすると、あかちゃんはお母さんのうたに合わせて
かいぐりこやおつむんてん、アワワワワアーなどを自らし始めます。

一緒にからだや喃語であそぶとことは、あかちゃんの発達に欠かせないこと
だと思います。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治書店)


うた

いっせんどうかは  おもたいな  てくてくくらべの
おおげさよ  きゅーう とん



門くぐりのあそびです。
はじめ門になる二人を鬼決めうたで選びます。
門になる二人が、手をつなぎ門をつくります。

残りの子どもは、それぞれ二人組になります。
門を二人組でくぐって行きます。

門役は、うたの最後の「きゅーう、とん」で手を下ろし、門を閉めます。
閉めた門にひっかかった二人組が、門役の後ろに門をすぐ作っていきます。
最後にひっかかった二人組が、次の最初の門役になります。


きろく

このあそびは、4、5歳ぐらいから始められます。
少人数より、10人以上だと面白さが違ってきます。

門にだんだんひっかかる子が多くなって長いトンネル状になると
二人組はジェットコースターのように駆け抜け、スリル満点です。

そうなると、ズルして早く門を閉める子や、トンネル門の前で
ひっかかるのがいやな二人組が足踏みするなどケンカが始まったりします。
しかし私は、そんなやりとりが『わらべうた』には欠かせない事だと思います。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

ひとりでさびし  ふたりでまいりましょう
みわたすかぎり  よめなにたんぽ  いもとのすきな
むらさきすみれ  なのはなさいた やさしいちょうちょ
ここのつこめや  とうまでまねく



あそび

お人形やペープサートを使って、ゆっくりうたって聴かせます。
お手玉歌にうたう時は、リズミカルにお手玉のテンポに合わせ 速くうたいます。

きろく

このうたは、仙台地方のお手玉うたです。
お手玉うたとしてうたうと、テンポが変わって元気な歌になり おもしろいと思います。

私はことばのもつ雰囲気が、子もりうたのように思えるので 菜の花の咲くころに、ゆっくりうたっています。
(参考資料:わらべうた 岩波文庫)


うた

せんぞうや  まんぞう  おふねは  ぎっちらこ
ぎっちら  ぎっちら  こげば  みなとが みえる
えびすか  だいこくか  こっちゃ  ふくのかみよ




2.3人で棒を舟の竿にみたてて、こぐようにうたいながら前進してあそびます。

また、親が、座って赤ちゃんや幼い子どもをひざに抱いて、手を取り
舟こぎのしぐさをしながらうたいます。

きろく

長崎は土地がら港の町ですので海もすぐ近くにあります。
毎年、大勢で手漕ぎの舟の太鼓の音にあわせて進むペーロン大会も
あって舟こぎうたは身じかなあそびになります。

他に「長崎くんち」(毎年10月7日〜9日までのお祭り)の船にまつわるだしものに
川船、唐人船、龍船、御座船、御朱印船、竜宮船、阿蘭陀船、南蛮船等々の
車をつけて各町内の人達が、曵くお祭りがあるほど船の種類はたくさんです。

このうたは、親子から多人数、幅広い年齢で元気よくあそべます。
(参考資料 わらべうた 福音館書店)



うた

こーんぼうた  こんぼうた  どうして  せがひくいの
こうやのうらで  あおなにもまれて それで せが ひくいの
はやくたって  うんどしな



あそびかた

あかちゃんを、抱っこして足をもち「あんよ」をうながすように 上下に動かしながら、うたいます。

また、わきをかかえて、上下にはねさせたりしてうたいます。

きろく

このうたは、あかちゃんがすくすく育ちあんよ(歩く)ができることをうれしがるうたでしょう。

あかちゃんが、親のひざの上で足をぴょーんとつっぱる時期があります。

そのころを逃さず、わきをかかえてうたにあわせてツンツンと足を ジャンプさせてあげましょう。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

コーブロ コーブロ ドノコガ カワイイ 〇〇チャンガ カワイイ



あかちゃんの頭をゆっくりやさしくなでながら
〇〇ちゃんと名前をよびかけてうたってあげる。

きろく

このうたは、語りかけるようにゆっくりとうたってあげましょう。
新生児には、特にやさしく頭をなでて何回も小さな声うたいましょう。

あかちゃんが、新生児でおとなしいと、ついつい寝かせてばかりで
声かけや、うたってあげることを忘れてしまいます。

おかあさんがうたってあげると、あかちゃんは足をばたばたさせます。
この運動は手の動きにつながり、4ヶ月ぐらいになると笑い声がでてきます。
これは、コミニュケーションの原点で、この時期の呼びかけうたは大切です。
親子でこの反応を楽しみましょう。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

いなさんやまから  かぜもらおう いなさんやまから  かぜもらおう
いーんま かーぜ  もどー  そーー



たこあげのうたです。
一人で布を風に見立ててふり、もどそーで布を放ちます。

他に大布を数人で持ち、うたに合わせて上下させて
その大布の風の中をくぐりぬけてあそびます。
最後に布を放ちます。

きろく

稲佐山とは長崎の港が見下ろせる山です。
長崎では凧揚げは「はたあげ」といい、春に稲佐山、唐八景、
風頭山、金比羅山などで揚げます。

はたあげの時に風が止まったら風を呼び戻そうとうたったうたです。
あそびの時の大布は薄い裏地を使うと大風のかんじがでて面白いです。
(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)



うた

ももや  ももや  ながれは  はやい  せんたくすれば
きものが ぬれる  あ どっこいしょ



あそびかた

うたに合わせて、布を洗濯するようなしぐさをしてあそびます。

きろく

このあそびは、「桃太郎」のお話が元になっているようです。

”あっかとばい”では長い布を川にみたてて洗濯をします。
洗いは洗濯板や、洗面器、洗濯機で、洗い方もつまみ洗い、もみ洗い たたき洗いとさまざまにします

それから、みんないっしょに洗濯物を干して「オテントサン」をうたいます。

おひさまをよび、かわいた洗濯物をとり込み、たたむまでのあそびにしています。

(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

かごかご、じゅうろくもん えどからきょうまで さんもんめ
ふかいかわへ はめよか あさいかわへ はめよか やっぱり
ふかいかわへ どぼーん(あさいかわへ しゃぼしゃぼ・・・・)




二人が向かい合い、お手玉をかごや布に入れ持ちます。
うたに合わせてかごを左右にゆすり最後にかごごと落とします。


きろく

もともと、京都のゆりあそびです。

”あっかとばい”では、バスタオルや洗面器なども使ってあそびにしています。
他に、二人が両手をつなぎ中に一人入れ、三人でうたに合わせながら体を
左右にゆすり最後の「どぼ〜ん」で中の子を外に放りだしす
ふりわけあそびにもしています。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

エンドウマメ ニマメ アジミテ カイナハレ イッショウ ゴンゴウ



豆にみたてた物を使いながら、韻をふんでとなえることばあそびです。

きろく

日本語の美しいことばがあるうたです。

今は一升や伍合などのことばや容量がわからなくなってきましたが
子どもたちは丸おぼえでことばをあそんでいます。
(参考資料:わらべうたであそぼう  明治図書)


うた

こーりゃ どーこの  じーぞうさん
うーみの はーたの  じーぞうさん
うーみに つーけて  どぼーん



あかちゃんから幼児まであそべるうたです。
あかちゃんには抱っこしてゆっくり、やさしくゆすりながら
「どぼーん」で落差をあまりつけずに海につけるまねをしてあそびます。

幼児には、歌のテンポを少し速くうたい、ゆすりをダイナミックにして
「どぼーん」の落差をつけてあそびます。

きろく

おかあさんが、いろんな年齢にあわせて抱っこしたり、わきをかかえたりして
ゆすってあそぶこともできますが、バスタオルなどを二人で持ちハンモックを
作って乗せてあそぶこともできます。

子供はダイナミックなゆすりや落差が大好きですなので何度も
せがまれてする事になります。
やってあげる方も、抱きかかえてゆするのは体力がいるので
お母んさんよりお父さんとあそぶうたにお勧しめます。
(参考資料:わらべうたであそぼう  明治図書)


うた

でんでらりゅうば  でてくるばってん  でんでられんけん
でーてこんけん こんこられんけん  こられられんけん  こーんこん



あそびかた

ことば、手、足あそびとしてあそべます。手あそびとしては、片手を広げ、その手のひらをもう一つの手で4つのパターンで打ちながらうたいます。

4つの手のパターンは、1)げんこつ 2)親指 3)人差し指と中指(ピースの形)4)人差し指とあかちゃん指(コンコン狐の形)です。

うたに合わせてすばやく4パターンを変えていきながら打ちます。最後のこーんこんは、1)げんこつを2回を打ちまます。段々と速くしたり、手を打つのを反対にしてもあそんでみましょう。

きろく

長崎のうたで、いろんな本や映画テレビでもとりあげられいます。

ことばの意味の取り方がそれぞれにあるようです。「ばってん」や「来られんけん」(行かれないの意味)はなかなか味わいのある長崎の方言です。

小学生の子どもは、早口うたで手と足を同時に動かしたり込み入ったあそびに工夫してあそんでいます。
« 前ページへ次ページへ »