うた
オッケレー オッケレー オッケレー オッケレー
よびかけうたです。 数軒の家に見立てたもののまわりを歩きながら唱える。
きろく
これは、壱岐の芦辺町いお住いの篠崎さんと中村さんに教えて頂いたうたです。
壱岐の室町時代に開山されたという曹洞宗の本寺 龍蔵寺で昔から1月21日の朝早く行われる
お経もりの時の呼び掛けうただそうです。
朝早く青年団と子どもたちが太鼓をならして町内の家々に起きるように呼びかけながら
龍蔵寺までお経(般若心経)のお札を貰いに行っていたのだそうです。
あっかとばいでは、数軒の家に見立てた積み木のまわりを歩きながら唱えたり昼寝している
子どもを起こそうとうたっています。
(壱岐市芦辺町 2006年9月19日取材)
うた
オデコサンヲ マイテ メグロサンヲ マイテ ハナノハシ ワタッテ
コイシヲ ヒロッテ オイケヲ マワッテ スッカリ キレイニ ナリマシタ
オデコサンヲ from yamada yukari on Vimeo.
顔あそびです。
おでこさん(ひたい)から、こいし(鼻)、おいけ(口)までを数回づつ
なでながらとなえていきます。
きろく
この顔あそびはあかちゃんにしてあげたいわらべうたです。
2歳ぐらいからは、子どもがおかあさんの顔にしてあげるのも微笑ましい姿で
交代にしながらあそんでいます。
他に”あっかとばい”では紐を使っていろんな顔をつくってあそんでいます。
子どもによっては丸い顔、三角、四角、時にはムンク顔もつくり、おはじきで
目や鼻をどこに置くかでそれぞれの面白い顔ができあがります。
どんな顔を作るかそれも楽しいあそびになります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)
うた
しょうがつさん しょうがつさん なーんみやげ もってきんしゃろ
みかんに つりがき くーり だいだい ところに とうらばし こーんぶ
正月さん 正月さん from yamada yukari on Vimeo.
あそびかた(あっかとばいでの)
お正月さんが、いらっしゃるようにお辞儀をしながらうたう。
鏡餅にみたてたもの(大お手玉など)の上に一人ずつお手玉を飾っていく。
きろく
このうたは、佐賀のお正月のわらべうたです。
お飾りは、それぞれに縁起をかついでいるそうです。
吊り柿は「しわがよっても甘くて人から喜ばれる」、栗は(勝栗)「勝運が強い」、だいだい(橙)は「代々繁栄」、ところ(山芋の一種)は「白髪が生えるまで長寿を祝う」。
とうら箸は(栗の木をけずってつくったはし)、昆布は「よろこぶ」と言われているそうです。
お正月には、年の節目や縁起をかつぐおせち、詞などそれに普段と違ったそれぞれの 家々の思い出もあるでしょう。
私の子どもの頃は、お年玉がもらえる楽しみやおせちと長崎独特のくじら、 中華の皿盛りでおごちそうだったことを思い出します。
今は捨てるのでしょうが、お正月過ぎて鏡餅がひびわれ、カビるので大きな水瓶 につけて保存し、そのカビ臭い水っぽいお餅を食べてたことを思い出します。
(参考資料:佐賀のわらべうた 音楽之友社)
あめふんな こふんな おやまの こどもは みのかさ もたんど
Untitled from yamada on Vimeo.
布を頭にかぶせ、雨を避ける様で歩いてうたう。
きろく
このわらべうたは、宮崎のうたです。
今でこそ、傘を持っていない子どもはいませんが、昔はみのかさも無く雨に降られた
子どもたちは急いで雨宿りの場所まで駆けて行ったでしょう。
藁葺きの家の軒下で着物の裾をからげて、天をみながら早く雨よ上がれ!の情景が
目に浮かびます。
最近は、使い捨ての傘が横行してて物が無かった時代を忘れてしまってますね。
(参考資料:わらべうた 岩波文庫)
トウキョウト ニホンバシ ガリガリヤマノ パンヤサント ツネコサンガ
カイダンノボッテ コチョコチョ
しぐさあそびです。
東京都で手の甲を一本指で2回つつく、同じく日本橋で2回(二本指で)
ガリガリ山で手の甲を2回ひっかき、パン屋で手の平に返し2回叩き
つね子で手の甲を軽く2回つねる。
階段で腕を二本指で肩の下までのぼり、こちょこちょで脇の下をくすぐる。
きろく
このうたは最後までのつつく、引っ掻く、叩く、つねる、はい上る、くすぐるの
しぐさが子どもにはたまらなく面白く、何度もしてもらいあそびのひとつです。
あそぶということは、目を合わせ肌に触れる体感が大切です。
公園にいっても子どもだけであそんでいるのは勝手にあそばせている
テレビを見せているのもテレビにあそびを預けていることです。
たくさんのわらべうたをしなくても、一つのうたをくりかえし
あそぶので十分だと思います。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)
うた
たなわたし たなわたし しずかにわたす こがねのゆうひ おにのいないうちに おにのいないうちに
数人場合は、飲み物をこぼさないように渡しあそびにします。
多い場合は、子どもの輪の中に鬼になった子を一人いれます。
外輪の子たちはうたいながら、鬼にわからないように布や小石、木の切れ端を
まわしていき、うたが終わると鬼はその物を持っている子をあてます。
当てると交代です。
きろく
このあそびは、長崎のわらべうたです。
ハンカチ落としの一種でしょう。鬼は、外輪の子どもたちがそおっと渡していく時の
微妙な声の変化や気配を感じとって当てなければなりません。
最近は、このようなあそびもしなくなってきましたが、高度なセンサーがいるあそび
なので子どもに限らず大人も面白いと思います。
(参考資料:日本のわらべうた 社会思想社)
うた
おらうちの どてかぼちゃ ひにやけて くわれない
しぐさあそびです。
輪になってすわり、かぼちゃにみたてた大ぶりのおもちゃを渡していきます。
きろく
かぼちゃの収穫季節になりました。
大きな丸ごとのかぼちゃはずっしりと重く存在感があります。重い丸ごとかぼちゃを
”あっかとばい”では渡しあそびにしています。
押しやったり、抱えたり、ごろんごろんと転ばせてそれぞれの運び方はかわいいものです。
渡しあそびの次は、かぼちゃの中央にして子どもを集め、外輪のお母さんたちが
カノンを(輪唱)してうたの渡しあそびにしています。
小さくカノンしたり、大きくカノンするお母さんたちのうたを子どもはよく聴いています。
(参考資料:うたえ!ピアノ 全音楽譜出版社)
うた
ピーチクチャー ピーチクチャー チーチャーホーチャー ビンズルヨウニ ツーテンカラ ナーニヲモッテ オモシロイ ヤレコノ ズンズルベッコ サンノケッケ トイマンシュルベ シュクシュクションベン パーイロパーイロ ジンタン ノ!
あそびかた
ことばあそびです
早口で一息で言える様にリズムをつかみ唱える
きろく
面白いわらべうたは、何も注釈を付けたりしなくても子どもの心をグッとつかみます。
この「ピーチクチャー」を丸ごとポンと子どもの前に差し出し それを取るか否かは子ども次第です。
最初は、子どもはあっけにとられてポカンとした表情をしますが、唱えの途中「ションベン」で 思わずニヤリとし、最後は、笑って「おぼえきれ〜ん!!」でした。
しかし、すぐに唱えた子や家でお父さんやお母さんに教えてどちらが早く言えるか ゲームにしたり、さまざまな波紋が広がり出しました。
わらべうたを何十年も覚え続けているというのは、源にあるのは興味、 語呂合わせの面白さ、躍動感、それにわけがわからない?ことだと思います。
私は、子どもの時のわけのわからない?ものをそのまま持ち続けることや、興味満身の芽を 潰さないようにしたいと思います。
長崎ではわけのわからないことを「わけくちゃわからん!」と言います。
前回は、No.113
(島原市有明町2005.1.10取材)
うた
ひとつ ひよこが かごのなか だいろくねんね
ふたつ ふねには せんどうさんが だいろくねんね
みっつ みよちゃんが おもちゃをもって だいろくねんね
よっつ よこはま いじんさんが だいろくねんね
いつつ いしゃどんが くすりをもって だいろくねんね
むっつ むかでが ながぐつはいて だいろくねんね
ななつ なくこが よだれをくって だいろくねんね
やっつ やまでは うさぎさんが だいろくねんね
ここのつ こじきさんが おわんをもって だいろくねんね
とおで とのさま おうまにのって はいどうどう
かぞえうたあそびです。
手合わせうたや紙芝居風のかぞえうたにします。
きろく
一つから十までの鹿児島に伝わる数えうたです。”あっかとばい”では紙芝居風にします。
順々に、観るお客さん役と歌って紙芝居をする人役を代わって演じてゆきます。
最初、うたを十まで覚えられない子どもは、しっぽの言葉「だいろくねんね」だけうたい
後は黒子が助っ人に入ります。
”あっかとばい”では、拍手をもらったする役割あそびの楽しさを早いうちから
積み重ねしたいので、3歳位から始めています。
(参考資料:まめっちょ1 全音楽譜出版社)
うた
きゃあつぐろ きゃあつぐろ きゃあつぐろのあたまに ひがちいた
すんだこんな きゅうだい
しぐさあそびにします。 水鳥にみたてたものであそぶ。
子どもの頭をかるくさわり、おじぎをするようにうたってあそぶ。
きろく
佐賀のわらべうたです。
佐賀ではきゃあつぐろという鳥は、かいつぶりとかにお(鳰)という水鳥で
動作がが素早くて人の影を見るとすぐに水にもぐってしまう鳥だそうです。
”あっかとばい”では水鳥をみたてたものを泳がせたり、潜らせたりしながら
はやしたててうたいあそんでいます。
お風呂の時などに親子であそんだら楽しい思います。
(参考資料:佐賀のわらべうた 音楽之友社)
うた
いちにとらん らんきょくってし しんがらほけっきょ きょうをの
どんがらしんがら ほけきょ
手まりうたです。ゴムまりをつきながらや足掛けしながらうたう。
きろく
五島のわらべうたのご紹介です。
このうたは、佐々町立図書館の末永嘉代子元館長に教えていただきました。
末永先生は五島、福江の小学3年生の時のまりつきをしていた時の
エピソードをお話して下さいました。
終戦の翌年で、まりつきあそびに夢中になって教室に遅刻し、先生にしかられ皆のまえで
披露しなさいと言われたそうです。
教卓の横でしぶしぶうたってまりつきをしていたら、いつの間にか興に乗ってうたい出し
教室中の皆に笑われたと楽しげに教えてくださいました。
あそびにはそれぞれの懐かしい思い出がたくさんあります。
(2004年4月5日 北松浦郡佐々町にて取材。)
うた
どんどんばし わたれ さあわたれ こんこが でるぞ さあわたれ
しぐさ遊びです。 一列に並んで橋にみたてたものを順々に渡っていく。
きろく
”あっかとばい”では、大きな積み木をつないで並べカラフル橋をつくります。
積み木がひっくり返らないように縁を押さえておきます。
順々に歩いて渡る、またいで渡るハイハイで渡るなど子どもはウキウキしながら
いろんな渡り方をあそびます。
子どもは道の脇や側溝の縁が大好きです。
落ちてけがをしたり、靴や服をよごしたりとかしますが、これもまた楽しい
思い出です。
私もその昔、小学校の塀を平均台にして渡ったり、通学の途中で醤油屋
の脇溝に落っこちたことを思い出します。
ぷ〜んと醤油の香りがして懐かしい良い思いでです。
親は子どもの成長の道のりと思って大目にみながら、小さい時に失敗する
危ないかもと思ってることも経験させてみてください。
その時の子どものとっさの体の使い方や状況判断を体験して
それに思い出もをつくってあげましょう。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)
うた
オヤユビ ネムレ サシユビモ ナカユビ ベニユビ コユビ ミナ
ネンネ シーナ ネンネ シーナ ネーンネ シナ
あそび
指あそびです。
「おやゆび ねむれ」=親指をおりまげる。順に人差し指、中指、紅(薬指)指小指と折り「ねんね」からは、小指から順に開いていく。最後の「ねーんね」で親指を開き、再びおりまげ、「しな」で人指し指から、小指までを全部一緒におりまげる。
きろく
このわらべうたは、あかちゃんや子どもをひざの上に抱っこして、ゆっくりとなえながらしてあげましょう。
あかちゃんの指には、たくさん刺戟を与えてあげるように指先を軽く、チョンチョンと摘んでからおりまげてしてあげます。3歳ぐらいになったら自分でとなええながら、素早くゆびをひろげることばあそびとしても面白いと思います。
同じような指あそびは、ココハ テックビNo.127 があります。
(参考資料:あそびうたえほん のら書店)
うた
うえから したから おおかぜ こい こいこい こいしぐさあそびです。
布を両手でもち上下にふりながらうたいます。
大布を大風にみたててその下をくぐったりもします。
きろく
” あっかとばい”では、大布(薄い裏地布)を全員で持ち大風をおこすところから始めます。
みんなの気持ちがうたと一緒になり大風をつくると、次はいっせいに大布を
上空に放すあそびをします。 他に、大風の下を一人ずつくぐるあそびもします。
タイミングをそろえ二人組、三人組、全員でくぐります。
くぐるタイミングをつかみ、しかもペアの息がそろってくぐれた時は
ワアワアと楽しそうです。
同じようなあそびは「稲佐ん山から」 No.11があります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)
うた
ギッコン バッコン ヨイショブネ オキハ ナミガ タカイゾ ギッコン バッコン ヨイショブネ オキハ ナミガ タカイゾ
あそび
しぐさあそびです。
子どもをひざにのせ座ります。両手で子どもの背中を支え、大人もいっしょに体を前後に倒したり 起こしたりしてあそびます。
きろく
このわらべうたは、舟こぎうたです。
”あっかとばい”では親子で遠い沖まで魚釣りに出かけるあそびにしています。 長崎は島の多い県なので、伊王島、高島、池島、五島、壱岐 対馬、など地名を あげて島巡りし、魚を釣ります。
釣ったらまたうたを繰り返しうたい続けて帰ります。 それから釣った魚をさばき、刺身にしたり、煮たり、焼くなどのしぐさも プラスしてあそびます。
他の舟こぎうたは「せんぞや」No.14「やんばらの」 No.84があります。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)