わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)


うた

オモヤノ モチツキ インキョノ モチツキ
イットツイテ ニトツイテ テニツキ
アシニツキ イヤ ポーン ポン

あそびかた

しぐさあそびです。

1)二人組で向かい合い手をとります。

2)「母屋(オモヤ)の・・・・二斗(ニト)ついて」まではお互い 相手の手のひらと、自分の手のひらを片手で餅をつくように交互につきます。

3)「手につき」で両手拍子一回と相手の手を一回づつ、
「足につき」で両手拍子一回と自分のひざを一回づつうちます。

4)「 イヤ・・・」で相手と両手をつなぎ、軽く上下にふります。

きろく

せっせっせあそびと同類のあそびです。
幼い子は、せっせっせが良くわからないので子どもの手を取って お互い親子の同士であそんだ方が良いでしょう。

昔、私の住んでいた長崎の出島商館跡地では師走になると近くの酒屋さんに 餅つき職人がまわって来るので明け方からあんこを持って行っていました。
鏡餅や、あんこ餅を丸めていました。

お正月に、家族内でそれぞれに割り当てられるあんこ餅を
だいじに食べるのが楽しみでした。美味しいうれしい思い出です。

今は、一斗とか二斗とかあまり聞かれなくなりましたが、
ちなみに、一合(ごう)約150g 、一升(しょう) 約1.5kg(一合の10倍)
一斗(と) 約15kg(一升の10倍)、一俵(ひょう・ぴょう)60kg(一斗の4倍)
一石(こく)150kg(一斗の10倍)です。

(参考資料: 目あそび 手あそび 足あそび 草土文化)


うた

はなさかん ひ−らいた はさみで ちょんぎりと えっさか さっさ



しぐさあそびです。
ジャンケンをはじめて教えるときのあそびです。

「花さかん」でこぶしをふりかざし、「ひーらいた」でパアを出し 「はさみで」でまたこぶしをふり「ちょんぎりと」でチョキを出す。

そして「えっさか」でまたこぶしをふりかざして 「さっさ」でふりおろしたときにジャンケンになる。

きろく

岩手県の遠野市の阿部ヤエさんが伝えられているわらべうたです。 昔、遠野では昼はわらべうた、夜は昔話で子育てしたそうです。

「花さかん」にまつわる早池峰山の昔話は、その中にある昔の人の 知恵が色濃く出ている話だと思います。

あっかとばい”では、一連のしぐさをした後にジャンケンあそびにしています。 長崎にいる子ども達には、昔話を通して他の土地の風土や言い伝えを 知ることは面白いことで遠い東北のわらべうたは新鮮です。

(参考資料:「わらべうた」で子育て 応用編  福音館書店)


うた

センシュ カンノンサン オヤドハドコダ オヤドハ ココダ



しぐさあそびです。
布をふりながらうたって聞かせる。
他に子どものうでをとり、片手ずつ上腕から手首まで
なでながらうたいます。

きろく

わらべうたには、このうたのように「千首観音さん」や「千ぞや万ぞ」など
たくさんの数がついたうたがあり、そのものを見たりしていなくても想像は
ふくらみます。

わからない言葉だけど、見たことは無い物。 それを、あれやこれや
想像することは大切です。
それに、子どもは「おなべふ」や「おやゆびねむれ」などの腕や
手あそびが好きです。

”あっかとばい”ではふれあいあそびにしています。
自分の指がうたにつれて変わって行くのが面白いのと
じかににぎられる人温や人肌のふれあいに気持ちが落ち着くようです。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

うまは としとし ないても つよい うまは つよいから のりてさんも つよい



親は座り、子どもの脇を支えて伸ばしたひざの上にのせます。
ひざを曲げながら子どもが騎馬をしているように、上下にジャンプさせます。
最後に、股を開き子どもを落とします。

きろく

佐賀のわらべうたです。
もともとは、二人騎馬戦のようにあそぶようです。

“あっかとばい”では、子どもが小さいときは、親がひざの上に乗せます。
他に、おんぶして子どもに次は暴れ馬?とか、おとなしい馬、小さい馬、などと
リクエストを聞いています。

うたのなかの「乗り手さんは」を「○○ちゃんは」にかえてあそびます。
子どもは、馬役になって人形を乗せるしぐさあそびも大好きです。
(参考資料:佐賀のわらべうた 音楽之友社)


うた

ベンケイガ ゴジョウノハシヲ ワタルトキ 
ウントコドッコイショ ウントコドッコイショ
ウントコドッコイ ドッコイショ ト ユウテワタル




あそびかた

しぐさあそびです。

正座して腕をのばし、「ベンケイガ」で手打ちを3回。
「ゴジョウ・・・トキ」で★手打ちを1回づつ
手打ち、左前腕、左上腕、額、右上腕、右前腕、手打ちの順でたたく。

「ウントコドッコイショ」の2回は、両手ゲンコツを左右に各4回づつふる。
「ウントコドッコイ・・・・ワタル」は再び★

きろく

ベンケイガ ゴジョウノハシヲとは弁慶が五条の橋をということです。
子どもは、このあそびのしぐさは難しのですが、うたと動きが
面白く大好きです。

”あっかとばい”では、1歳ぐらいからひざの上に乗せ、最初はふりは
できないので、両手をとりしぐさあそびを楽しみます。

2、3歳になると、黒子も必要ですがお客さんと演者にわかれて
劇場あそびとしています。お客さんは座布団に座って観る役です。
演者は舞台であいさつをして、あぐらを組んでから始めます。

子どもは、お客さん役や、演者役で、正座してあいさつしたり拍手をもらい
人前でしぐさうたの披露をするあそびの中から多くのことを学びます。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

コゾウ ネロ オイシャ ネロ セイタカ ネロ オレモネルカラ ワレモ ネロ



あそびかた

手あそびです。
子どもをひざの上にのせて指を開かせ、小指から順にまげていきます。
小僧は小指、お医者は薬指、せいたかは中指、おれは人差し指、われは親指。

きろく

あかちゃんの指はかわいいものです。 抱っこして、もみじのようなふわふわの指をやさしく開いてうたってあげましょう。

ゆびをまげる時は、必ず指先を少しつまんでツボを押さえるようにまげてあげると ほどよい刺戟が脳に伝わるでしょう。

私は、最後にあかちゃんの手をおにぎりを作るように軽くにぎりながら 「にんぎ、にんぎ、にんぎ」と唱えます。

(参考資料: わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

ととけっこ  よがあけた  まめでっぽ  おきてきな



あそび

にわとりや、それに見立てたものでうたってみせる

きろく

このうたは、あかちゃんから幼児までにやさしく、ゆったりとうたってあげましょう。

うたで使うものは、にわとりのぬいぐるみ以外でもボール、積み木、布でも面白いと思います。

ここでは、にわとりを裏返すとひよこに変身するタオル布地のぬいぐるみを使っています。

うたの後に「朝がきたよ○○ちゃん、おはよう」と語りかけたりもします。

(参考資料: わらべうたであそぼう 明治図書)




うた

じごくごくらく えんまさんのまえで このこがいちばん よいむすめ ぎんのふねうかべて あそびましょ

じごくごくらく えんまさんのまえで このこがいちばん わるむすめ ひのやまとんで あそびなさい

じごくごくらく えんまさんのまえで このこがいちばん わるむすめ はりのやまとんで あそびなさい



あそびかた

ふりわけあそびです。

二人の子が向かい両手をつ ないだ中に一人の子が入ります。
中の子はわきを開けて、ゆすられるように体をゆらします。 うたのさいごに支えられた片方の腕から外にふり出されます。

良い娘は優しくふりだされ、悪い娘は乱暴に振り出されます。

きろく

いろんな地方に、ゆすってふりわけるあそびはあります。

このうたは、長崎の五島(岐宿町)に伝わるわらべうたですが、 京都は、類歌で問答が入っているうたであそんでいたようです。

昔は、地獄とか極楽とかはっきりとした善、悪の基準がことばでうたわれ あそばれていたんですね。

”あっかとばい”では2、3歳から振り分ける時に良い子は、親が手車に乗せて やさしくゆらします。
悪い子の時は、子どもの両手を持って飛び続けさせるあそびにしています。
(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店


うた

いもむし ごろごろ ひょうたん ぽっくりこ



2歳ぐらいから大きなボールに腹ばいでのせ、そのうえで引き押ししながらうたう。

4、5歳になると数人でしゃがみ、肩や腰をつかみ一列になり数珠つなぎで
いも虫になってあそぶ。

きろく

ボールにのるのが恐ろしい子はお母さんが手を持ってあげましょう。
大きなボールはだっこするようにかかえさせて、それからうでを引いてあげると
スムーズにボールに乗れます。

子どもは、ボールの上で脱力して頭や足をダラリとできるようになると
気持ちがよくなって楽しくてなんどもあそびたがります。
満足するまでたくさんあそんであげましょう。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

町でまんじゅう 買(こ)うて 日見で火もろうて 矢上でやいて
古賀でこんがらかして 久山でうち食(く)うた



あそびかた
先頭の子が旗を持ち、数人の子どもたちと手をつなぎうたいながらうねり歩く。
うたい終えたら頭の子はしっぽ(最後尾) にまわり、つぎの子が先導してあそぶ。

きろく

長崎の人々になじみのあるわらべうたです。

もともと羽根突きや手まり歌としてあそばれてきました。
歌詞が、それぞれの地名に合わせてうたわれています。

”あっかとばい”では今年2006年も五月四日に、うたにそって旧長崎街道を
探索する「わらべうた親子探検ツアー」を行いました。

「町で・・・」の起点の馬町から、いざ出発。
新大工町のシーボルト通りで饅頭(まんじゅう)を買い、日見峠越え。
峠で饅頭を食べて昔の人の通った足跡を探検しました。
次に、バスを乗り継ぎ矢上、古賀の藤棚、旧本田邸、終点の諫早市久山町の
饅頭店までの行程でした。   帰路は汽車に乗り長崎へ。

今は江戸時代の徒歩からすると、車であっという間のスピードで峠を越さず
トンネルを通過できます。
トンネルなどない時代の峠越えや、関所や旧農家の生活場を探検することで、
子どもたちは昔の人たちの時間と空間を感じることができました。

それに、一日に四軒の店の饅頭の味くらべは、手ごろな値段で買える饅頭の
おいしさ多様さに感動した面白いツアーでした。

長崎はほかの地より饅頭店がたくさんあります。
これは、日本で初めてオランダ船によって砂糖がもたらされた土地柄だったからでしょう。
カステラなどのお菓子の文化が開いた長崎の町ならではのうたではないでしょうか。
(2005年6月11日長崎新聞 掲載)


うた

かれっこ  やいて  とっくらきゃして やいて しょうゆつけて たべたら うまかろ



あそび

しぐさあそびです。

「かれっこやいて」で両手をかざし、魚を焼くしぐさをしながら4回上下します。 「とっくらきゃして やいて」で手をひっくり返し4回上下して「醤油つけて」で片手のひらを人差し指で4回うち、「食べたら うまかろ」でほほを両手でなでます。

きろく

わらべうたのなかでも定番のあそびです。

しぐさと節がシンプルなのであかちゃんをひざに抱っこして手をそえてうたえます。すると、あかちゃんはだんだんまねっこをし始めます。かれっこ(魚のこと)だけでなく、せんべや餅、ホットケーキなどと替えうたもしていきます。

他に”あっとばい”では、2歳位から順番が待てるようになったら、ひも付き棒を使い 目あき魚のぬいぐるみでメザシをつくります。 たくさんのメザシをみんなで焼いて食べるあそびもします。

(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

つん つん つがれ やまん たの いしの ごと つんと つがれ



一人で棒を突きながら歩き、うたい終えたら棒を後続のわたしていく。
終えたら列のしっぽについて歩くあそび。

きろく

長崎の外海、出津のわらべうたです。

石を二つに割って、つばをつけて両方をたたき、つぎ合わせて相手の石と
突き当てて落としあう時にうたうとあります。
石であそんだ時ですから、男の子が好きな外あそびだったのでしょう。

”あっかとばい”では、室内ですので 2、3歳から重めの太い棒を突きながら歩きます。
初めは、おかあさんに手をつないでもらわないと歩けなかった子どもが、
だんだんにひとりで棒を持って歩くのが好きになっていきます。

このうたや棒がりっぱなおもちゃの役を担っています。
(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


うた

ななくさ  なずな  とうどの  とりが  わたらぬ さきに



おままごとあそびの中でします。
包丁で七草を切るようにしぐさをしながらうたいます。

きろく

毎年、一月七日に長崎の諏訪神社ではこのうたをうたいながら七草を刻んでいます。
朝から七草粥のふるまいが行われ一年の無病息災を祈ります。

”あっかとばい”ではこの時期もですが、ままごとあそびにかかせないうたとして
年中あそんでいます。

ままごとあそびで重箱にいろんな料理をつくってお客さんうをもてなします。
お客さんごっこは、お互いのあいさつなどもあって、もてなしの気配りなど
大人たちの話し方や姿に変身するので子どもは面白いらしく好きです。
社会性のあるあそびですね。


うた

ゆきや こーろ あられや こーろ てんじくばしの はしのしちゃ からすが さんびき とまった なんひゃあて とまった せきだひゃあて  とまった せきだ すみになって すみやこーろこーろ



あそび

カラスになって翼をひろげうたい、 飛んで場所をかえて行くあそびにします。

きろく

佐賀のわらべうたです。

冬の雪のふるころのうたで白一色の雪景色は佐賀も長崎もめずらしいことです。 その雪景色にカラスの黒はくっきりだったでしょうか。

天竺橋というのはちょうど牽牛と織り姫を一年に一度渡す『かささぎの橋』の たとえのように高貴な所、空のかなたにかかる夢の橋を 意味していたかもしれないそうです。

”あっかとばい”ではカラスを嫌うばかりでなく賢い鳥として あそびにしています。
(参考資料: 佐賀のわらべうた 音楽の友社)



うた

ぎっこ ばっこ ひけば となりの ばんばこ かけた わんこ もってきて
おっぶり かっぷり みなのんだ



座って子どもをひざの上にのせ、手を取ります。うたに合せて舟をこぐまねを
しながら最後の「みなのんだ」の「だ」で子どもを股の下に落とします。

きろく

ずいぶん古いうたのようです。

外海の「ギッコン、バッタン」No.21 のはたおりのうたと同じです。
ことばが面白いので、あかちゃんのころからしてあげたいあそび一つです。

あかちゃんには、最後の落ちのしぐさはやさしくしてあげましょう。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)

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