わらべうたとゆかいな日々
わらべうた 長崎のこと スモーク(くん製)

うた

ゆきは いっしょう あられは ごんごう



しぐさ遊びです。
昔の枡(ます)の五合枡と一升枡で計りくらべをするあそびにしています。

きろく

冬の雪の季節にあそびたいうたです。
五合(ごんごう)、一升(いっしょう)ということばもあまり聞き
慣れなくなりましたが美しいことばです。

家庭で日常に、お米を炊く時に2合とか3合とかいうことばはよく耳にします。
しかし、子どもは実際に計ってみて、どれくらいのご飯が炊きあがるのかという
ことがつかみにくいものです。

そこで、”あっかとばい”では計るというあそびにしています。
うたいながら計るあそびは、うたがあるからこそ何度もあきずにできます。
今は計量カップがありますが、昔の計り方であそぶのも楽しいものです。

もちろん、枡にこだわらず雪の降る庭で雪ダルマなどをつくりながら
うたうのも楽しいでしょう。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

コドモ カゼノコ ジジババ ヒノコ



数人で、輪になりしぐさをしながら行進して元気にうたいます。

しぐさは、「コドモ カゼノコ」で両手をのばしパンチを4回します。
「ジジババ ヒノコ」で火鉢で手を温めるしぐさを4回します。

きろく

冬の寒い時期に、みんなであそびます。

おおぜいで、元気にかけ声して、しぐさあそびをしていくと体が
ぽかぽかしてきます。
おしくらまんじゅうより動きが大きいので、子どもの気持ちが
かけ声といっしょに外に出ていきます。

小さい時から体を動かしながら大声をだすうたは、冬の寒さにまけないぞ!
という気合い入った楽しいわらべうたです。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)

うた

あっかとバイ カナキンバイ あっかとバーイ カナキンバイ
オランダさんから もろたとバーイバイ



あそびかた
No.1 と同じうたですが5歳位から、役交代のあそびにもできます。

一人が赤い布を持つ役になり、ほかの子どもは、その子を中心に外の輪をつくって
うたいながら時計回りに歩きます。
赤布役は布を高く持ち、外輪の内側を逆回りに歩き、うたの最後の「バーイバイ」で
すれ違いざまに赤布を外輪の子に渡していきます。

きろく

長崎に伝わるお正月のうたです。

昔は「赤っとばい、のんのかばい、オランダさんから、もろたとばい」
とうたわれていたこともあります。
のんのか(美しい)と言うことばが金巾(カナキン)にいつしか変わっていったのでしょう。
金巾とは、昔舶来の赤や白の綿布で着物の裏地や、卓上ナプキンに使っていたようです。

日本は、お正月が現在の太陽暦に変わる明治六年までは、月の満ち欠けを基準とした
太陰暦(旧暦)で年中行事を行っていました。
しかし、長崎には江戸時代から太陽暦の一月一日に新年を祝う人達がいました。
人々が、オランダ人と呼でいた外国人達です。

この「おらんだ正月」には新年の宴会が開かれ、オランダ商館に出入りできた人達が
招かれました。
招かれた人はめいめい、白金巾のナプキンをひざの上に広げ、目を丸くして卓上に
次々出てくるフルコースの洋食を、お皿で頂く貴重なお正月の宴を楽しんでいたようです。

そこには、晴れ着を着た丸山の遊女や禿(かむろ・遊女に仕える少女)らのお酌に踊りと
賑やかな宴が、元旦中行われ長崎の人たちは、羨望のまなざしでオランダ人からもった物や
宴会の事を うわさした事でしょう。

このうたは、そんなオランダさんからもった赤い金巾を子ども達が見せびらかしたり
ひやかしたりしてあそんでいたころのうたでしょうか。

私は、小学校の時期に出島のオランダ商館跡地で育ちました。
このうたは、古(いにしえ)の長崎出島の歴史を深く感じさせるわらべうたです。
(2005年2月12日長崎新聞 掲載)


うた

オクヤマ二 キジト キツネト コイヌト ネコトガ アツマッテ ドウユウテナイタ キジハケンケン コンコンニャンニャン ワンケンコン



ことばあそびのうたです 。 うたう時、一定のテンポの中に、ことばがうまっていくように唱えていきます。

きろく

このうたは、ことばのリズム感がおもしろいので子どもはすぐに覚えてしまいます。 ”あっかとばい”では棒つき人形で演じながら、劇あそびにしています。

劇あそびは、お手本をみながら始めるのが良いと思います。

子どもが、てらいのない小さいときから、人の前でうたったり演じたり、 交代でお客さんになったりするのは、 一人一人の特性が育つあそびだと思います。

(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

ひふてんぼ ひかねば なんぼ たけんさきの つんまがって そのてを ひきゃれ



手あそびうたです。
「ひふ〜なんぼ」まで手首を8回つかむ。「竹ん」から指先全部をつまみ
最後の「れ」でつまんだ後に、軽くひきます。
ひいた指は、飛ばしながら、最後の指まで束ねていきます。

きろく

もともとは、長崎の加津佐に伝わる鬼きめうたらしいのですが、”あっかとばい”では
指あそびとしてあそんでいます。
ゆっくりとした時間に、子どもをひざに抱き一つ一つの指をつまんであげましょう。

指先をつままれるのは心地よいものでうたも1本、1本の指に語りかけるように
ゆっくりとした テンポでうたってあげましょう。
じかに体と接したうたは、子どもと親に落ち着きを与えます。
(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


うた

コノベル ナラシタ  コノドア アイタ コノカギ ハズシタ
サアサア ナカヘ ハイリマショウ




このベルならしたで、こどもの髪を4回ひっぱり
このドアでおでこを4回ノック
ガキで鼻をつまみまわし
さあさあで口びるにふれる。

きろく

あかちゃんにしてあげたい顔あそびです。(イギリスのマザーグースより)

日本にも、たくさんの顔あそびうたがありますが、このうたは西洋らしい
ベル、ドアなど出てきます。
昨今は、西洋化されている生活なのでこのうたは違和感がありません。

日本語の顔あそびは、別うたですが眉毛のことを毛虫という代えことばに
したりしてどちらかといえば、ことばをあそび動きは静かなような気がします。

それに引き換え、このうたはベルはひっぱり、ドアはノックしたり
ガギはねじると 日本にはない接し方が面白いと思います。

あそぶ適齢時期としては、あかちゃんが自由にハイハイできるようになると
急に顔あそびを 嫌うようになったりしますので、それまでの幼い時期に
ゆっうたりとうたってしてあげましょう。

他に、3.4歳になったら子供どうしとか、自分で演じるのも面白いでしょう。
(参考資料:わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

1. ともさん ともさん はなつみゆこうや おててつないで かごさげて
2. つんだはなばな こたばになして みははマリアに ささげましょう
3. はなはわれらの おてほんさまよ ひとのこころの いましめよ
4. ゆりはけっぱく ぼたんはあいで はでなさくらは しんとくよ
5. にくしうらめし やまおろしかぜ さけるさくらを ふきちらす
6. さけるはなさん いくらもあれど みのるはなさん いくらです
7. ともよわれらも このよのはなよ とくのみのりに うまれきた
8. いかにあらしの ふきすさぶとも こころひきしめきをつよめ
9. かみのみそのに たのしむまでは しゃばのあらしに ちるまいぞ



あそび

子どもを、ひざの上に抱っこして手を取り、振りながらあそぶ。

きろく

長崎市から車で45分ほど、広々とした五島灘を左手に見ながら西彼杵半島を ゆっくりと北上して長崎県外海町出津・黒崎地区へ。

遠藤周作 の「沈黙」の舞台となった黒崎教会を過ぎると、遺跡や歴史的建築物が集まり出津文化村 と呼ばれる一帯です。

文化村には、明治時代にこの地に功績を残したフランス人宣教師のド・ロ神父の 記念館があります。この記念館のシスターから教わったのがこのうたです。

ほほえみが印象的なシスターは、 ミサ用のオルガンの椅子に座り昔を思い出す ようにゆっくりとうたってくれました。

「この辺りでは、母親たちはみな、子どもをひざに抱っこして手を振りながら キリシタンの教えをわらべうたに託してあそんでくれたの。」とシスター は語ります。

外海町にも、禁教時代に過酷な迫害の中で、生きてきたキリシタンたちがいました。 入り組んだ地形が、キリシタンの里を守ったのでしょうか。

その貧しく質素な町にやってきたド・ロ神父は、産業や教育の発展に寄与しました。 住民たちは、今もキリシタンの教えを守り続けているのです。

子ども達はこうしたわらべうたをうたいながら、その分かち合いの精神を身に つけたのでしょう。

「旬もおいしい物が手に入ると、まず教会に持って行き、そしておとなりへ 最後に残った物を自分の家で食べたものです」と地元の人が話してくれました。

地域の助け合い精神は、今の時代にもうたい継がれているのですね。

(西日本新聞2004年12月12日掲載)
(2004年10月16日 ド・ロ神父記念館にて取材)


うた

いちり にり さんり しり しり しり しり・・・・・

itiri niri sanri siri siri siri siri・・・・


いちりで、あかちゃんの両足の親指をつまみ上げます。にりで、両足の足首をつかみ、さんりで両膝をつかみます。 しり しり しり しりで、おしりをくすぐります。

きろく

この遊びは、赤ちゃんに限らず、子どもが大きくなってもしてあげたい『わらべうた』です。 歌はテンポ通りにうたうのではなく、両足の親指や足首をキュッキュッとつぼを刺激するように 、緩急自在につまんであげましょう。


うた

ぎっこん ばったん ちゃんぽろりん じいにいったん おってきしゅ んべへいったん おってきしゅ ぎっこんばったん ちゃんぽろりん



両足をのばしてひざの上に子どもを乗せ、手を取りうたに合わせて 前後にはた織りをするよう紡ぐ。
または、舟こぎのようなしぐさでこぐ。

きろく

昔、長崎の外海で歌われあそばれていたていた、わらべうたです。

外海町は、かつてキリシタンの信仰が迫害を受けた時代も隠れながら 奥深い山々や、 入り組んだ海岸に守られ信仰が生き続けている地方です。

ドロ神父様の教えを守り、人と人が助け合い分かち合う精神は このうたにもうたわれています。

爺に一反、んべ(お婆さん)へ一反と歌っているのは、そのやさしい

”あっかとばい”では、一歳のあかちゃんのグループから大切な身近な お父さん、お母さん、 兄妹、お友達の名前を入れてうたっています。

ひざの上に乗せたり、手を取り合いながらあそぶわらべうたは たくさんありますが、子どもはうたの中に 自分の知っている人の 名前が出ると思わずにっこり微笑みます。

うたが自分のものになるからでしょう。 これは大切な事で、親と体を添わせて一体となり、反物をおりながら プレゼントする人のことを想像するのです。 そして、くり返し、くり返し何人にもに織ってあげるのです。

今の時代は、物が溢れていますが素朴なうたは子どものイマジネーションを 豊かにします。
(長崎新聞 掲載:参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


うた

にわとり いちわが  いちもんめ
コッケ一  コッケ二  コッケ三  コッケ四・・・



あそびかた

うたのなかの、コッケ一から紙風船をついて落とさないように長く続ける。

きろく

このうたは、数少ない揚げまりうたで風船をつくようにまりを つき上につき揚げ、どれだけつけるか数を競うそうです。

“あっかとばい”では大きな紙風船であそびます。
つきあげて落ちるまでの間もゆっくりなのでお母さんと一緒だと 2歳位からあそべます。

大きい紙風船だとつく時に、ばあ〜んと豪快な音がしますし はねかたがゴムとちがって楽しいです。

(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)


うた

コマンカ コマンカ コマンカ ナミ マチット フト ナアレ 



四人が、波にみたてた大布を地面に広げ、四すみをしっかり持ちます。
子供たちは、静かな波布に呪文をとなえます。

大きな声で呪文がとなえられると、波はだんだん大波になっていき
その大波の下を子どもたちは魚になってくぐりあそびます。

きろく

このあそびは、波が段々大きくなるのを待って海の中をくぐりぬける
スリルがたまりません。
しかし、くぐりぬける時ぶつかるので、あそびの前にくぐる時のルール
(右回り)をしっかり教えなければ危ないと思います。

私は、右回り=時計回りということを2歳ぐらいから教えます。
長崎は海に近い所ですが、最近は夏でもプールには行っても海には
なかなか出かけません。

”あっかとばい”では、夏 に”磯あそび”をします。
磯でみなをとり、波をかぶり海水おにぎりや海水雑炊をつくり
海を楽しむ一日でした。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)


うた

おちょうず  おちょず  ねんねつぼ  ねんねつぼ
かいぐりかいぐり  かいぐりこ おつーむ てんてん
アワワワワアー



あそびかた

あかちゃんにしてあげるしぐさあそびです。

おちょず =4回、両手を合わせる。
ねんねつぼ=4回、片手のひら人差し指でつく。
かいぐり=両腕を糸巻きの様にまわす。
おつむてんてん=4回、両手で頭をさわる。
アワワワワアー=数回手のひらを口びるにあてる。

きろく

まず、お母さんがあかちゃんにして見せましょう。

首がすわったら、あかちゃんをひざにのせ、手をとり一緒に
しぐさをあそんで下さい。
そうすると、あかちゃんはお母さんのうたに合わせて
かいぐりこやおつむんてん、アワワワワアーなどを自らし始めます。

一緒にからだや喃語であそぶとことは、あかちゃんの発達に欠かせないこと
だと思います。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治書店)

うた

せんぞうや  まんぞう  おふねは  ぎっちらこ
ぎっちら  ぎっちら  こげば  みなとが みえる
えびすか  だいこくか  こっちゃ  ふくのかみよ




2.3人で棒を舟の竿にみたてて、こぐようにうたいながら前進してあそびます。

また、親が、座って赤ちゃんや幼い子どもをひざに抱いて、手を取り
舟こぎのしぐさをしながらうたいます。

きろく

長崎は土地がら港の町ですので海もすぐ近くにあります。
毎年、大勢で手漕ぎの舟の太鼓の音にあわせて進むペーロン大会も
あって舟こぎうたは身じかなあそびになります。

他に「長崎くんち」(毎年10月7日〜9日までのお祭り)の船にまつわるだしものに
川船、唐人船、龍船、御座船、御朱印船、竜宮船、阿蘭陀船、南蛮船等々の
車をつけて各町内の人達が、曵くお祭りがあるほど船の種類はたくさんです。

このうたは、親子から多人数、幅広い年齢で元気よくあそべます。
(参考資料 わらべうた 福音館書店)



うた

ももや  ももや  ながれは  はやい  せんたくすれば
きものが ぬれる  あ どっこいしょ



あそびかた

うたに合わせて、布を洗濯するようなしぐさをしてあそびます。

きろく

このあそびは、「桃太郎」のお話が元になっているようです。

”あっかとばい”では長い布を川にみたてて洗濯をします。
洗いは洗濯板や、洗面器、洗濯機で、洗い方もつまみ洗い、もみ洗い たたき洗いとさまざまにします

それから、みんないっしょに洗濯物を干して「オテントサン」をうたいます。

おひさまをよび、かわいた洗濯物をとり込み、たたむまでのあそびにしています。

(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)



うた

かごかご、じゅうろくもん えどからきょうまで さんもんめ
ふかいかわへ はめよか あさいかわへ はめよか やっぱり
ふかいかわへ どぼーん(あさいかわへ しゃぼしゃぼ・・・・)




二人が向かい合い、お手玉をかごや布に入れ持ちます。
うたに合わせてかごを左右にゆすり最後にかごごと落とします。


きろく

もともと、京都のゆりあそびです。

”あっかとばい”では、バスタオルや洗面器なども使ってあそびにしています。
他に、二人が両手をつなぎ中に一人入れ、三人でうたに合わせながら体を
左右にゆすり最後の「どぼ〜ん」で中の子を外に放りだしす
ふりわけあそびにもしています。
(参考資料 わらべうたであそぼう 明治図書)

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