2)ともさん ともさん
あそび
輪になってうたに合わせてみんなでおどる。
うた
1. ともさん ともさん はなつみゆこうや おててつないで かごさげて
2. つんだはなばな こたばになして みははマリアに ささげましょう
3. はなはわれらの おてほんさまよ ひとのこころの いましめよ
4. ゆりはけっぱく ぼたんはあいで はでなさくらは しんとくよ
5. にくしうらめし やまおろしかぜ さけるさくらを ふきちらす
6. さけるはなさん いくらもあれど みのるはなさん いくらです
7. ともよわれらも このよのはなよ とくのみのりに うまれきた
8. いかにあらしの ふきすさぶとも こころひきしめきをつよめ
9. かみのみそのに たのしむまでは しゃばのあらしに ちるまいぞ
長崎の外海のわらべうたです。
聖書の教えが西洋の節のドレミファソラシドの音階ではなく、日本の節・ミレドラソです。
他にはない長崎ならではの、わらべうたと思います。
初めて9番まであるこのわらべうたをうたうのは難しいでしょうが、
私はこういう訳がわらないものでも、まるごと身体を動かしうたっていくと
伝わると思っています。
参考にわらべうたのきろくNo.24とNo.51の「ともさん」を御覧ください。
うた
くもはあっぱい べべきいて ちゃぶくろばんばに しかられる
かやのきやまの ひのくれを うまにほだつんで おりてくる
じいのもどりの おそいこと くもはあっぱい べべきいて
じいがもんたら ゆっちゃろう じいがもんたら ゆっちゃろう
Untitled from yamada on Vimeo.
聴かせうたです。 夕焼けの情景を思いながらゆっくりうたいます。
きろく
このうたは、「わらべうた」岩波書店の本では、高知の土佐の山村で歌われる
夕焼け唄とあります。
真赤な夕焼け雲に赤い晴れ着を連想して、できることならあの雲のように
わたしもキレイな晴れ着をきたいものだという意があるそうです。
馬のひずめの音にあわせてうたいましたが、夕焼け空を見上げながらゆったりと
子もりうたのようにうたってあげうのも良いと思います。
(参考資料:わらべうた 岩波書店)
うた
ねんねんねんねん ねんねんや このこの ねたまのしごとには おおきなしまへ
わたって にないや さざえを とってきて ゆでたりやいたり してくわしょ
Untitled from yamada on Vimeo.
子もりうたです。 ゆっくりとうたって聴かせます。
きろく
この子もりりうたは京都の寝させうただそうでうす。
「京都のわらべ歌」柳原書店の本では京都府竹野郡に伝わるでんでん太鼓(三)とあります。
(一)(二)は山の方、(三)は海の近くでうたわれていたのでしょう。
長崎も海に島、魚や海産物もたくさんとれますので、このうたは身近な子守うたです。
夏のころになると、レインスティックを鳴らしながら波の音を出してうたっています。
(参考資料:京都のわらべ歌 柳原書店)
うた
とんとん おてらの どうじょうじ つりがね おろいて みをかくし
あんちん きよひめ じゃにばけて ななよに まかれて ひとまわり ひとまわり
Untitled from yamada on Vimeo.
手まりあそびです。 他に、うたい語りあそびにもできます。
きろく
このわらべうたは、謡曲「道成寺」を始め歌舞伎、浄瑠璃、常磐津、長唄、地唄等で
有名な安珍清姫の伝説に取材した曲で岩手、大阪その他にも行なわるそうです。
昔の伝説がいろいろな演し物で人々に観られ伝わって、子どもたちにもわらべうた
としてあそばれたのでしょう。
いろいろな演し物で内容のちがいはありますが、大人にかぎらず、子どもにとっても
清姫の怨念、蛇に化身、追いかける話が熊野地方にあることは驚きだと思います。
うたい語るあそびの一つとしてはぴったりなので ”あっかとばい”では演じる人と
お客さん役割を順々にしながらあそんでいます。
(参考資料:わらべうた 岩波文庫)
うた
しょうがつさん しょうがつさん なーんみやげ もってきんしゃろ
みかんに つりがき くーり だいだい ところに とうらばし こーんぶ
正月さん 正月さん from yamada yukari on Vimeo.
あそびかた(あっかとばいでの)
お正月さんが、いらっしゃるようにお辞儀をしながらうたう。
鏡餅にみたてたもの(大お手玉など)の上に一人ずつお手玉を飾っていく。
きろく
このうたは、佐賀のお正月のわらべうたです。
お飾りは、それぞれに縁起をかついでいるそうです。
吊り柿は「しわがよっても甘くて人から喜ばれる」、栗は(勝栗)「勝運が強い」、だいだい(橙)は「代々繁栄」、ところ(山芋の一種)は「白髪が生えるまで長寿を祝う」。
とうら箸は(栗の木をけずってつくったはし)、昆布は「よろこぶ」と言われているそうです。
お正月には、年の節目や縁起をかつぐおせち、詞などそれに普段と違ったそれぞれの 家々の思い出もあるでしょう。
私の子どもの頃は、お年玉がもらえる楽しみやおせちと長崎独特のくじら、 中華の皿盛りでおごちそうだったことを思い出します。
今は捨てるのでしょうが、お正月過ぎて鏡餅がひびわれ、カビるので大きな水瓶 につけて保存し、そのカビ臭い水っぽいお餅を食べてたことを思い出します。
(参考資料:佐賀のわらべうた 音楽之友社)
うた
ピーチクチャー ピーチクチャー チーチャーホーチャー ビンズルヨウニ ツーテンカラ ナーニヲモッテ オモシロイ ヤレコノ ズンズルベッコ サンノケッケ トイマンシュルベ シュクシュクションベン パーイロパーイロ ジンタン ノ!
あそびかた
ことばあそびです
早口で一息で言える様にリズムをつかみ唱える
きろく
面白いわらべうたは、何も注釈を付けたりしなくても子どもの心をグッとつかみます。
この「ピーチクチャー」を丸ごとポンと子どもの前に差し出し それを取るか否かは子ども次第です。
最初は、子どもはあっけにとられてポカンとした表情をしますが、唱えの途中「ションベン」で 思わずニヤリとし、最後は、笑って「おぼえきれ〜ん!!」でした。
しかし、すぐに唱えた子や家でお父さんやお母さんに教えてどちらが早く言えるか ゲームにしたり、さまざまな波紋が広がり出しました。
わらべうたを何十年も覚え続けているというのは、源にあるのは興味、 語呂合わせの面白さ、躍動感、それにわけがわからない?ことだと思います。
私は、子どもの時のわけのわからない?ものをそのまま持ち続けることや、興味満身の芽を 潰さないようにしたいと思います。
長崎ではわけのわからないことを「わけくちゃわからん!」と言います。
前回は、No.113
(島原市有明町2005.1.10取材)
うた
ひとつ ひよこが かごのなか だいろくねんね
ふたつ ふねには せんどうさんが だいろくねんね
みっつ みよちゃんが おもちゃをもって だいろくねんね
よっつ よこはま いじんさんが だいろくねんね
いつつ いしゃどんが くすりをもって だいろくねんね
むっつ むかでが ながぐつはいて だいろくねんね
ななつ なくこが よだれをくって だいろくねんね
やっつ やまでは うさぎさんが だいろくねんね
ここのつ こじきさんが おわんをもって だいろくねんね
とおで とのさま おうまにのって はいどうどう
かぞえうたあそびです。
手合わせうたや紙芝居風のかぞえうたにします。
きろく
一つから十までの鹿児島に伝わる数えうたです。”あっかとばい”では紙芝居風にします。
順々に、観るお客さん役と歌って紙芝居をする人役を代わって演じてゆきます。
最初、うたを十まで覚えられない子どもは、しっぽの言葉「だいろくねんね」だけうたい
後は黒子が助っ人に入ります。
”あっかとばい”では、拍手をもらったする役割あそびの楽しさを早いうちから
積み重ねしたいので、3歳位から始めています。
(参考資料:まめっちょ1 全音楽譜出版社)
うた
やまこえで かわこえで コンコンさま いだがい いだぞいなにしてだい 「いまながしで ほねかじってた」 ウワー いやしこ いやしこ
やまこえで かわこえで コンコンさま いだがい いだぞい
なにしてだい いまにかいで おけしょうしてだ ウワー おしゃれこ おしゃれこ
やまこえで かわこえで コンコンさま いだがい いねぞい
どこさいったい やまさいった うそ しっぽがみえる アレ てもみえる
アレ ピクピク みみがうごく みつかったな つかむぞー ワーイ ワーイ ワーイ・・・
しぐさと問答のある追いかけっこあそびです。
数人の子どもが手をつなぎ輪を作ります。キツネ一人(鬼)をきめます。
外輪の子どもたちが歩きながらしぐさをしてキツネ鬼と問答をうたいます。
最後のキツネ鬼の「つかむぞー」でいっせいに逃げます。
キツネにつかまった者が次の鬼に代わります。 そのあそびはここです。
他に、人形劇風にして歌ってあそんだりもできます。
きろく
福島のわらべうたです。方言が長崎とはずいぶん違ってて面白いので、追いかけっこは後にして
人形劇の問答ことばあそびとしてまずはあそんでいます。
福島弁のお国なまりとは多少ちがっているでしょうが、キツネのうたらしく
戯けて人形をあやつり人前でずることが楽しくなるように
たくさんうたってあそびましょう。
(参考資料:わらべうた 岩波書店)
うた
ねんねん ねやまの こめやまち こめやの よこちょを とーるときちゅーちゅー ねずみが ないていた なんの よーかと きーたらば
だいこくさまの おつかいに ねんねしたこの おつかいに
ぼーやも はーやく ねんねしな だいこくさまへ まいります
子もりうたです。
子どもやお人形を抱っこしたりおんぶしてゆったりとうたう。
きろく
子もりうたの中でも、ほのぼのとした情景が目に浮かぶうたです。お母さんが子どもにうたってあげることも大切ですが、子どもが
人形あそびの中でお人形をゆらしながら聴くのもよいと思います。
(参考資料: まめっちょ1 全音楽譜出版社)
うた
ピーチクチャー ピーチクチャー チーチャーホーチャー ビンズルヨウニ ツーテンカラ ナーニヲモッテ オモシロイ ヤレコノ ズンズルベッコ サンノケッケ トイマンシュルベ シュクシュクションベン パーイロパーイロ ジンタン ノ!
あそびかた
ことばあそびです
早口で一息で言える様にリズムにのって唱える
きろく
長崎の島原市の有明町の松本信子さんに教えてもらったことばあそびです。
松本さんは幼い時に、覚えていっきに言わなければいけないとお父さんから言われ、 ことばを書いた紙をトイレに持って行って覚えたそうです。
ことばは、雲雀(ヒバリ)の代弁だそうで、『巣にいる子どもに近づくな!』 という意味だそうです。
大人は、ことばの謂われはわかっても、なかなか意味が通じないと 覚えにくいのですが子どもは丸ごと覚えることができます。
小さい時に面白いことばに出会うのは、宝物を拾ったようなワクワク感があります。
子どもが育ち、学ぶのにこのワクワク感こそが一番大切と思います。
(島原市有明町東向保育園にて 2005.1.10取材)
うた
ひっちょこ はっちょこ はちのすけ はちゃあ やめえ すばかけげ
すば かけじん よめごみげ よめごは どげんどげん しおらんな
べんつけ かねつけ しおらいたざい
あそびかた
子もりうたです。
あかちゃんをゆっくり、ゆすりながらうたう。
きろく
長崎の波佐見町、渡辺満さんから伝承していただいたうたです。
渡辺さんは、おばあさんから『山に巣を作りに行った蜂の助は
巣は作らず、結婚式で花嫁さんが奇麗になる様子を見ましたよ。』という
うただと聞いたそうです。
歌詞の中にある「べん」とは口紅のこと、「かね」とはお歯黒のことだそうです。
渡辺さんは、昔、お歯黒用の金属の入った液壷にフシ(五倍子)を混ぜるため 山に取りに行っていたそうです。
お歯黒とは、昔、既婚した女性がする習慣で、今では考えられないのですが つい最近までお歯黒をされていたおばあさんがいらしたのは驚きでした。
「ひっちょこ はっちょこ はちのすけ」で始まる類歌がたくさんありますが この子もりうたは、美しい情景が見えるうただと思います。
ゆったりとうたってあげましょう。
(東彼杵郡波佐見町2007.2.9取材)
うた わたしの みいや おまどの そばで ひとりぼっち さびしそうね
かわいい こねこたち かえっておいで ママが まってるわ
ねんねの じかんよ
あそび
ロシアの子もりうたです、ゆったりうたってあげましょう。
きろく
絵本「ロシアのわらべうた」のなかのうたです。
これは「おおきなかぶ」ロシア民話 A.トルストイ、の内田 莉莎子さん(著)と「原爆の図」などの丸木 俊(著)さんと二人で出された絵本です。
ロシアの風土や音楽にそって猫やいろんな動物、自然が描かれ、うたも美しい曲がたくさんの絵本です。
子どもたちは、うたにあわせて猫の軍手人形などをゆらし、お母さんきどりで聴いています。あかちゃんや子どもに、日本や外国の子もりうたもうたってあげましょう。
(参考資料:ロシアのわらべうた 架空社)
うた
ほたる たるたる たんぐるまの みずは
のめば さんがれ さんがれのまねば あがれ ほたるこい ほたるこい
あっちの みずはにがいぞ にがいぞ
こっちの みずは あまいぞ あまいぞ
ひしゃく もってこい くんでのましゅ くんでのましゅ
あそびかた
自然をうたったしぐさあそびです。
柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み飲むしぐさをします。
きろく
蛍のうたは各地にありますがこれは、長崎の多良見町のうたです。
今でも多良見町にはたくさんの蛍が飛んでいます。 ”あっかとばい”の子どもは、うたい終えたら柄杓で水を汲んだまねをして みんなに飲ませて上げます。
こどもは、柄杓の水をこぼさぬように気をつけて飲ませるのが好きです。
(参考資料: 佐賀 長崎のわらべ歌 柳原書店)
うた
やまかじやけろ もしきはもえろ こじきはあたれかーらすからす かんざぶろー おまえのうちが やけるぞー
はーやくいって みずかけろ
夕焼け空を見てうたう。
又は、からすのぬいぐるみを手に持ちうたう。
きろく
静岡の御殿場地方のわらべうたです。子どもらが夕暮れ、西の空が真っ赤に夕焼けているのを見て、手を打ち
はやしながらうたったものだそうです。
日本人は夕焼け、お月様 おてんとさん 、風 雪 雨など天気気象に
かかわる自然を歌ったわらべうたを沢山持っています。
これは、四季もはっきりしていて、それぞれの地方の季節の移り変わりを
敏感にとらえる子どもの感性がうたをつくったのでしょう。
もしきとは薪のこと。 勘三郎とはカラスのことです。
この夕焼けの映像は沖縄の残波岬です。
(参考資料:わらべうた 岩波書店)
うた
みみずが さんびき はいよった あさめし ひるめし ばんのめしあめが ざーざー ふってきて あられが ぽつぽつ ふってきて
ゆきが こんこん ふってきて あっというまに たこにゅうどう
絵描きうたです。
うたの最後にタコになるように順をおって描いていきます。
1)「みみずが〜」でタコのおでこの部分として波線を3本描きます。
2)その下に「朝飯」で左に丸目、「昼飯」で右に丸目、「晩の飯」で
口を丸二重にして内丸は塗りつぶします。
3)「雨が〜」で足を数本かき「あられ〜雪〜ふってきて」は
足に点々をつけます。
4)「あっというまに〜」でいっきにタコの顔のように大丸を描きます。
きろく
このうたは、波佐見町在住で、幼い時に大村市で歌って育ち中国の大連でよくあそんだと言われる今里妙子さんに教えて頂きました。
波佐見町では他に、「みみずが三匹おりました。団子が3つありました。
雨がざーざーふりました。霰がぽつぽつふりました。大きな傘かぶったタコ入道」
と丁寧なことばになっていたそうです。
昔は、土の上に棒などで大きく絵描きながらうたってあそんでいました。
しかし残念ながら、今は土はなくなり、アスファルト道路では車が多くて
とても危険で絵描きうたなどかけません。
紙の上で書いてあそびましょう。
幼い子どもには大人が描いてみせ、2、3歳位になってなぐり書きするように
なったら大人が手を添えて一緒に描くのがよいと思います。
ことばと描き方が同じになるようリズムにのって描きましょう。
(2007年2月9日 波佐見町にて取材)