7月も長崎手帖を読みながら、27日に集いました。
「断髪異聞」、手帖の中の茶のみ話からご紹介します。
明治時代に、本田藤太郎氏のお父上に起こったハプニング話です。
長崎市本籠町(現在の籠町)の本田藤太郎氏の茶のみ話。
明治の始め頃のことでしょう。洋品を扱っていた父がある日ロシアの軍艦に出かけると、将校がしきりに話しかけるので、英語のAの字がどっち向いているかも知らなかった父は、ただ耳で覚えた英語でイエスイエスと答えていたら、いきなり椅子に腰かけさせ、首から四角い布をかけるので、何をするのかと思っていたら、チョンマゲをぷっつり切り落としてしまった。頭をかかえた父は泣顔で、これでは帰れんと手様手真似ですると、将校は山高帽をちょこんと載せてくれた。それでやむなく家に帰ると「世間に顔向けが出来ない」と母が泣くやら叱るやらで、着物に山高帽をかぶった父は黙って立っていたそうです。
本田氏のお父上の心情が、痛いほどわかるお話ですね。チョンマゲをいきなり断髪とはお気の毒です。
でも、不謹慎ながらみなさんでケラケラ笑ったしだいでした。
第二十六回は、長崎手帖No.11、特集 石だたみ礼賛〜茶のみ話まで。第二十五回はここです。
次回は、8月24日(日)の予定です。どなたでも参加できます。気軽にいらっしゃいませんか?